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対、スラヤ・ケラン戦
1998年1月16日  2RTKO勝ち
IBFアジア・ライト級王座決定戦


1989年の6月の半ば頃、とあるファミリーレストランで注文を終え、さっき書店で買ってきた「ワールド・ボクシング」を読んでいた・・・「井岡やられた・・・ナパにTKO負け」「チャベス3階級制覇なる」「ナオト、ドキッ・・・またも逆転KO」など、すでに知っていた情報の写真入りの記事を品物の来るまでの間、楽しんでいた。注文の品がテーブルに運ばれ、空腹を満たすべくフォークに手を伸ばした時に目に入ってきた記事に私は凍り付いてしまった・・・
「衝撃ニュース!無念!・・・飯泉引退」左目網膜剥離で王者の夢断たれ・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
何も考える事が出来ない、頭の中は真っ白け・・
「おい!早く食わんと冷めちゃうぞ!」同席者の声で我に帰り、食事するものの、自分が空腹であったかも憶えていない、その後その席でどんな会話があったのかも憶えてない、ただ同じページをじっと見て固まってしまった自分を他の自分がその光景を見てる・・・そんな記憶だけは今でも鮮明に覚えてる。

網膜剥離でボクサーが引退、
たまに耳にする事である。ボクシングファンの私は
そんな選手達の無念さを思うと悲しくなる。
しかし、何故?
何故飯泉が!
あれから9年、当時22歳だった飯泉もまもなく31歳になる。
その間伝わって聞く飯泉の噂は新聞の地方版を見ても、
ボクシング専門誌を見ても、いずれも同じものだった・・・
「未だ、リング復帰をあきらめていない・・」
早いうちに夢(リングに再び立つ)をかなえさせてやりたい・・
しかし、時間だけは無情に過ぎて行く・・・
ある時、とあるドキュメント・ボクシング漫画を見る。
少しずつリングへの未練を断ち切ろうとしているように
私には見えた、しかし、最後のセリフには完全にまだ
断ち切れていない飯泉の思いがこもった一言だった・・
(復帰の可能性が)
「まだ、0.1%ある、て事にしてくれません?」
おお、なんて奴だ!
自分で言った0.1%なんて、
全然実現性の無いような可能性を
見事に現実のものにしてしまうなんて・・
1998年1月16日・・
この日は私の決して短くはない
(長いとも言えんが・・)人生の中で決して
忘れる事の出来ない日であろう・・・
大阪の地で飯泉はリングに帰って来た・・

飯泉健二、おめでとう・・そして、

ありがとう・・・・
スラヤ・ケランをコーナーに詰め、打ちまくる飯泉。
試合は2R、ケランの負傷による
飯泉のTKO勝ちとなった。
しかも、タイトル奪取という快挙!
出血の激しいケランを攻める
9年ぶりにリング上で
手を上げられる飯泉は
何を思っていたのだろう・・・
腰にベルトを巻いて、
家族の所へ近寄る飯泉
こんなシーンをずっと
夢見てきたのだろうか・・

ここで使わせていただいた写真は飯泉の親友、Kenji Kanekoさんからいただきました。
ありがとうございます。

おまけ

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